夏場にエアコンを使用すると、まれに本体から水漏れが起こるケースがあります。
慢性的に起こるケース、一時的に起こるケース様々です。故障ではありません。
インターネットで「エアコンから水漏れ…その原因は?」で検索すると、さまざまな原因が記されています。
「ドレンパン、ドレンホースのつまりが原因」というもっともらしいことは書いてありますが、実はそれ以外の原因がたくさんあります。
これから、私が知っている水漏れの原因と、その対処方のお話を書きます。
目次
エアコンから水漏れ。その、さまざまな原因と対処方。
一般の方が水漏れの原因を特定するのは非常に難しいです。
一般の方といいましたが…我々エアコンに従事する業者であっても、特定は難しいです。
これから記するケースのどれかに当てはまると思いますが、参考にしてみて下さい。
原因① ドレンホースのつまり…(ご自分での対処方あり)
水漏れ原因…
夏場にエアコンを使用すると、エアコン内部のアルミフィンは温度差で結露します。その結露した水はドレンパンに溜まり→ドレンホースを伝って室外に流れ込みます。エアコンはそういう構造です。
このドレンホース、内部の直径は15ミリくらいです。
◆外に向かう途中で、汚れがだんだんと固着して詰まったり、
◆出口が葉っぱや土でふさがっていたり、
◆外からホース内に虫が侵入してそのまま死骸となり水の流れをふさいだり、
◆ホース出口を水を張ったバケツに突っ込んでしまっていたりと、
さまざまなケースで結露した水が詰まりやすい、逆流してしまうことがあります。
対処方…
室外機付近にあるドレンホースの先端を確認してみて下さい。
出口付近のつまりなどは、異物を取り除くだけで簡単に改善できるかもしれません。
内部の汚れ、異物などは、ドレンポンプを購入して使用します。これが確実です。
ホームセンターでも売っています。吸うだけでなく、水回りの排水溝のつまりを押し出す力で解消することもできますので、ひとつ常備しておくと便利なアイテムです。

原因② 室内機銅管、ドレンホースの断熱材不足…(ご自分での対処方なし。)
水漏れ原因…
夏場のエアコン内部は、さまざまな部品が冷たくなります。
その冷たくなる部品の中に、室外機とつながっている金属の銅管、外に向かうドレンホースがあります。
冷たくなると、温度差で結露してしてしまい、その部品に水滴が発生する要因となります。
水滴が発生してはまずいので、通常銅管やドレンホースには断熱材が施されますが、それがなかったり、ずれてしまっていると、結露の原因→水漏れとなります。
対象方…
これが原因で水漏れの場合は、メインカバーを分解してみないとどの部分が原因が特定できませんし、ましてやご自分での対処は難しいでしょう。
もし場所が特定できれば、市販の断熱シートを巻き付けたりすると改善するかもしれません。
原因③ ドレンホースのたるみ…(ご自分での対象方なし。)
水漏れ原因…
通常ドレンホースは、外に向かって常に下がる勾配でなければなりません。しかし、中にはたるんでいて、水が溜まってしまっている場合があります。
水の流れが正常に行われず、汚れが溜まり詰まりやすくなる結果、原因①で述べたようにドレンホース内のつまりの原因を引き起こします。
対象方…
たるみを治すことは一般人では難しいです。ドレンホースは通常何かで隠れていますので、どこがたるんでいるのかを特定するのも難しいです。
ですので、一時的な解決にしかならないかもしれませんが、ドレンホースで吸ってみましょう。
原因④ 結露水、水路の変化…(ご自分での対象方なし。)
水漏れ原因…
通常、エアコン室内機で発生した結露水はドレンホースに向かうまでの正しい水路があります。
なんらかの原因でその水路が変わってしまうことがあります。
例えば…
この上の写真の赤丸逆三角の部分…ここはエアコンの奥で発生した結汚水が真下に落ちるような部分です。
しかし、逆三角の先端に何かホコリの塊や異物が付いている場合、結露水が真下に落ちず少し、汚れを伝って少し奥まった部分に落ちてしまいます。これが水漏れの原因となることがあります。
他にも、エアコン内部に虫などの異物が侵入し、またはその排泄物などにより、それらの異物に水分が導かれ、水路の流れが変わることもあります。
対処法…
はっきりいってありません。原因を特定するのも難しいです。
我々業者によるエアコン分解クリーニングをしても改善しないケースもあります。
原因⑤ プラスチック部品の結露…これは水漏れとは少し違います。
水漏れ原因…
室内の湿度が高い場合、かつエアコンの設定温度が低い場合に一時的に見られます。
吹き出し口に、茶色い水滴の残り汚れがある場合がそれです。
回転するファンに結露が発生した場合や、風を左右に調節する羽が結露した場合などに見られます。
一般的な水漏れとは明らかに違う事象がありまして、
一般的な水漏れは、水滴は真下に落ちます。
プラスチック部品の結露の場合は、水滴は飛んできます。少量です。
対処方…
設定温度を上げる。もしくは、エアコンを運転していると室内の湿度が低くなるので、自然となくなるでしょう。
原因⑥ フェルト部分が湿ることによる結露水発生…(ご自分での対象方あり。)
水漏れ原因…
上記の原因⑤と関連しますが、エアコン室内機内部には、フェルトが使用されています。
普通見えないものですが、メインカバーの裏側に貼ってあったりします。役割はおそらく断熱関連。
しかし、そのフェルトが結露でいったん湿ると、集中してそこに結露が強く発生します。
フェルトは本来結露する予定のないモノなので、それが結露すると室内機側に水漏れとなってしまいます。
対処方…
いったんエアコン内部自体を完全に乾かします。
「内部乾燥」「内部クリーン」「におい除去」メーカーによって呼び方は異なりますが、室内機を乾かす運転がある機種がほとんどです。
無い場合は、「暖房機能」「送風機能」で運転します。
そうしてフェルト部分が完全に乾く事によって、水漏れも収まることもあります。
原因⑦ アルミフィンに発生した結露水が、ドレンパンに落ちず、回転しているファンに落ち、それが吹き出す。(ご自分でできる対処方なし)
原因⑤で水滴が真下ではなく、正面に飛んでくると書きましたが、同じ現状です。
原因は、通常アルミフィンに発生した結露水は、親水膜が施されているフィンを伝ってドレンパンにたまる仕組みです。
しかし、何らかの原因で親水膜効果が弱くなり、発生した水滴がドレンパンにたまる前に、回転しているファンに落ちてしまいます。そうなると、当然吹き出し口から水滴が飛びだしてきます。
これは、原因が特定できたとしても、ご自分での対処は難しいです。
まとめ
水漏れが発生した場合、ご自分で解決できる方法としては、
ドレンポンプを購入し、ドレンホースを吸ってみる。
あるいは、
エアコンをいったん完全に乾かしてみる。
このどちらかになるでしょう。
その他の場合は、エアコンクリーニング、取扱業者、メーカーの修理部門へのご相談をお勧めします。
余談…水漏れ原因の特定について
水漏れは、大量の場合は原因がわかることもありますが、少量になるほど特定するのが難しいです。
最初にも書きましたが、水漏れの原因特定はエアコンに従事する私達でもとても難しいです。
おそらくメーカーなどに修理依頼をしても解決しないことも多々あり、交換をお勧めされるケースもあります。
途中にも書きましたが、一度完全に乾かしてから使用すると、改善することもあります。
そのとき改善しなくても、翌年使用する時に改善したりすることもあります。

