夏場にエアコンを使用すると、まれに本体から水漏れが起こるケースがあります。
慢性的に起こるケース、一時的に起こるケース様々です。
故障ではありません。
インターネットで「エアコンから水漏れ…その原因は?」で検索すると、さまざまな原因が記されています。
「ドレンパン、ドレンホースのつまりが原因」というもっともらしいことは書いてありますが、実はそれ以外の原因がたくさんあります。
これから、私が知っている6つの水漏れの原因と、その対処方法のお話を書きます。
2、室内機の銅管や、ドレンホースを覆っている断熱材不足、摩耗
3、ドレンホースのたるみ
4、結露水の水路の変化
5、フェルト部分が湿ることによる結露水発生
6、水が前に飛び出すように降ってくる場合
エアコンから水漏れする6つの原因と、その対処法。
一般の方が水漏れの原因を特定するのは非常に難しいです。
一般の方といいましたが…我々エアコンに従事する業者であっても、特定は難しいです。
またこれはポイントなのですが、水漏れが激しいほど特定しやすいです。逆に、ちょっとしかしない場合は特定しにくいです。
エアコンからの水漏れは、これから書くケースのどれかに当てはまることがある思いますが、参考にしてみて下さい。
エアコン水漏れ原因① ドレンホースのつまり
※ご自分での対処方あり
水漏れ原因…
夏場にエアコンを使用すると、エアコン内部のアルミフィンは温度差で結露します。
(※エアコン内部に水分が発生するという事です。)
その結露した水はドレンパンに溜まり→ドレンホースを伝って室外に流れ込みます。エアコンはそういう構造です。
このドレンホース、内部の直径は15ミリくらいです。
◆外に向かう途中で、汚れがだんだんと固着して詰まったり、
◆出口が葉っぱや土でふさがっていたり、
◆外からホース内に虫が侵入してそのまま死骸となり水の流れをふさいだり、
◆ホース出口を水を張ったバケツに突っ込んでしまっていたりと、
さまざまなケースで結露した水が詰まり、正しく排出されずに水漏れとなります。
水漏れ対処方…
室外機付近にあるドレンホースの先端を確認してみて下さい。
出口付近のつまりなどは、異物を取り除くだけで簡単に改善できるかもしれません。
内部の汚れ、異物などは、ドレンホースクリーナーで吸って取り除きます。これが確実です。
ドレンホースクリーナーで吸ってみて、異物が取れる感覚があれば、水漏れは改善するでしょう。
※異物が取れる感覚というのは、吸った時に「重い」感覚があります。「軽い」場合は、異物はなかったということです。これは、実際にドレンホースクリーナーを使ってみないと分からない感覚です。「軽い」場合は、つまりはないという事なので、水漏れの原因は別にあります。
エアコン水漏れ原因② 室内機の銅管や、ドレンホースを覆っている断熱材不足、摩耗
※ご自分での対処方なし。
水漏れ原因…
夏場のエアコン内部は、さまざまな部品が冷たくなります。
その冷たくなる部品の中に、室外機とつながっている金属の銅管、外に向かうドレンホースがあります。
冷たくなると、温度差で結露してしてしまい、その部品に水滴が発生する要因となります。
水滴が発生しては水漏れの原因となりますので、銅管やドレンホースには断熱材が施されます。
ですが、
・断熱材が部分的に施されていない
・断熱材が劣化してボロボロになってしまっている
・断熱材がずれてしまっている
このような場合は、正しく断熱材が施されていないということで、その部分に結露水が付着し水漏れとなります。
水漏れ対処方…
これが原因で水漏れの場合は、メインカバーを分解してみないとどの部分が原因が特定できません。
ましてやご自分での対処は難しいです。
もし場所が特定できれば、市販の断熱シートを巻き付けたりすると改善するかもしれません。
[ad]
エアコン水漏れ原因③ ドレンホースのたるみ
※ご自分での対象方なし。
水漏れ原因…
通常ドレンホースは、外に向かって常に下がる勾配でなければなりません。しかし、中にはたるんでいて、水が溜まってしまっている場合があります。
水の流れが正常に行われず、汚れが溜まり詰まりやすくなる結果、原因①で述べたようにドレンホース内のつまりの原因を引き起こします。
水漏れ対処方…
ドレンホースのたるみを治すことは一般人では難しいです。ドレンホースは通常何かで隠れていますので、どこがたるんでいるのかを特定するのも難しいです。
ですので、一時的な解決にしかならないかもしれませんが、ドレンホースで吸ってみましょう。
エアコン水漏れ原因④ 結露水の水路の変化
※ご自分での対象方なし。
水漏れ原因…
通常、エアコン室内機で発生した結露水はドレンホースに向かうまでの正しい水路があります。
しかし、なんらかの原因でその水路が変わってしまうことがあります。
①例えば…
この上の写真の赤丸逆三角の部分…ここはエアコンの奥で発生した結汚水が真下に落ちるような部分です。
しかし、逆三角の先端に何かホコリの塊や異物が付いている場合、結露水が真下に落ちず少し、汚れを伝って少し奥まった部分に落ちてしまいます。これが水漏れの原因となることがあります。
②他にも、エアコン内部に虫などの異物が侵入し死骸となる、またはその排泄物などが付着した状態となることがあります。
それらの異物によって水路の流れが変わることもあります。
水漏れ対処法…
①の場合は原因を特定するのは難しいです。我々業者によるエアコン分解クリーニングをしても改善しないケースもあります。
②の場合は、我々業者によるエアコン分解で、改善するケースもあります。
いずれにしても、ご自分での対処方法はありません。
[ad]
エアコン水漏れ原因⑤ フェルト部分が湿ることによる結露水発生
※ご自分での対象方あり。
水漏れ原因…
エアコン室内機内部には、フェルトが使用されています。
普通見えないものですが、メインカバーの裏側に貼ってあったりします。役割はおそらく断熱関連。
しかし、そのフェルトがいったん湿ると、集中してそこに結露が強く発生することがあります。
対処方…
いったんエアコン自体を完全に乾かします。
「内部乾燥」「内部クリーン」「におい除去」メーカーによって呼び方は異なりますが、室内機を乾かす運転がある機種がほとんどです。
無い場合は、「暖房機能」「送風機能」で運転します。
そうしてフェルト部分が完全に乾く事によって、水漏れも収まることもあります。
エアコン水漏れ原因⑥ 水が前に飛び出すように降ってくる場合
通常の水漏れは、真下に水がポタポタ落ちます。
しかし、中には吹き出し口から水が飛び出してくるような水漏れがあります。
この水が飛び出してくる原因ですが、
アルミフィンに発生した結露水が、ドレンパンに落ちず、回転しているファンに落ち、それが吹き出す。
という現象です。
※ご自分でできる対処方:エアコンを完全に乾かしてみる
通常アルミフィンに発生した結露水は、親水膜が施されているフィンを伝ってドレンパンにたまり室外に排出される仕組みです。
しかし、何らかの原因で親水膜効果が弱くなり、発生した水滴がドレンパンにたまる前に、回転しているファンに落ちてしまいます。そうなると、当然吹き出し口から水滴が飛びだしてきます。
これは、原因が特定できたとしても、ご自分での対処は難しいです。
もしくは、エアコンを「送風」「内部クリーン」「暖房」で完全に乾かしてみて下さい。そのあとに運転すると、水漏れが止まるケースもあります。
まとめ
水漏れが発生した場合、ご自分で解決できる方法としては、
ドレンホースクリーナーを購入し、ドレンホースを吸ってみる。
あるいは、
エアコンをいったん完全に乾かしてみる。
このどちらかになるでしょう。
その他の場合は、エアコンクリーニング、取扱業者、メーカーの修理部門へのご相談をお勧めします。
余談…水漏れ原因の特定について
水漏れ原因特定は、大量の場合は原因がわかることもありますが、少量になるほど特定するのが難しいです。
最初にも書きましたが、水漏れの原因特定はエアコンに従事する私達でもとても難しいです。
おそらくメーカーなどに修理依頼をしても解決しないことも多々あり、交換をお勧めされるケースもあります。
また、エアコン水漏れですが、エアコンの故障ではありません。
途中にも書きましたが、一度完全に乾かしてから使用すると、改善することもあります。
そのとき改善しなくても、翌年使用する時に改善したりすることもあります。