私はエアコンクリーニング業者です。
お客様からエアコンクリーニングを行った後に、
「どうしたら、汚れないようになりますか?」
「どうしたらカビが生えないようになりますか?」
と必ず聞かれます。
そこで、私がお客様にお話しているカビ予防の方法をこちらでも書いてみたいと思います。
まずは、エアコンの基本的な仕組みだけ、簡単に知っておいて下さい。
エアコンは、
室内の空気を吸って、温度調整をして吐き出すしくみ。
これがエアコンの仕組みです。
これを知らないと、汚れる仕組みがわかりずらいと思います。
では、いきます。
内部をこまめに乾燥させるとカビない…は、実は半分ウソ。
かなり衝撃的な見出しにしました。しかし、そういうことです。
よく、「エアコンの内部を乾燥させましょう。そうすれば、エアコンはカビません。」という話がありますが、半分はウソです。
確かにエアコン内部が湿っていると、カビの繁殖の原因の一つとなります。しかし、カビ菌が繁殖するのは、生乾きの時間が一番繁殖します。
エアコンの内部の乾燥は「内部クリーン」「におい除去」「おそうじ」※という機能になりますが、コメマにやりすぎるのが問題なのです。
※メーカーによって名称が変わります。
こまめにやりすぎると、生乾きの時間が増えることになります。
そうすると、カビ菌が増える時間帯が長くなることになります。
ですので、
例えば、1時間お出かけするからエアコン運転を切って、乾燥させよう。そして、また帰宅したらエアコンを運転しよう。
というような時は、乾燥運転はせずそのまま濡らしておいた方がいいかもしれません。乾燥運転をさせるのは、次回までに長時間使用しないとわかっている時がいいでしょう。
※この半紙に関しては、正確なデータがあるわけではありません。あくまでも私個人の見解です。
エアコン真下で加湿器を使用すると、すぐにカビる。
こんなことがありました。
あるお客様から、
「この冬、ワンシーズンだけでエアコン内部がすごくカビてしまった。」ということでエアコンクリーニングに行ってきました。
冬の暖房の時期は、基本的にエアコンはカビません。(ホコリや油汚れは発生します)
なぜ冬はカビないのでしょう?
というのも、冬の暖房運転はエアコン内部は常に乾燥している状態のはずです。カビ菌は乾燥している場所では繁殖しません。
では、このお宅ではなぜ冬の暖房運転時でもカビてしまったのでしょうか?
私も不思議だったのですが、理由がわかりました。
エアコン真下に加湿器を置いて、常に運転していたようです。
そうすると、湿度が高い空気がエアコンに取り込まれるときに、エアコン内部も湿るようです。内部が湿るとカビやすくなりますね。
これが、冬の暖房時でもエアコンがカビてしまう原因です。
それ以降、伺うお客様宅の加湿器とエアコンのカビ汚れについて、気にするようにしてみました。
冬の時期こそ活躍する加湿器ですので、使わないわけにはいきませんね。
そうするとあることがわかりました。
加湿器は真下に置いてなければ、エアコンは汚れないようです。
例えば、エアコンを使用している部屋で加湿器を使用する場合、少し離れたところに置いて使用するがいいです。
エアコンの真下だけは避けた方がいいです。
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ホットプレートを使用している時にエアコンを運転すると油で汚れる。
これも、経験談です。
エアコンを購入してまだ1年ほどなのですが、やたらと油汚れがひどいエアコンがありました。
いろいろお話を伺っていると、そのエアコンが設置さている部屋(ダイニングですね)で頻繁にホットプレート調理をするようです。
通常、ガスコンロやIHコンロで料理をするときは、換気扇/レンジフードが油を吸ってくれますね。
ですが、ホットプレートは、ダイニングテーブルやこたつで使用します。
そこで発生した油を含んだ空気は、空中に舞います。
そのホットプレート使用中に運転をしていると、エアコンが油を含んだ空気を吸ってしまいます。
これが、エアコンが油で汚れる原因です。
エアコンの近くでホットプレートを使用する時は、エアコンの運転を止めると汚れにくくなります。
運転している時間が長いほど、すぐに汚れる
これは感覚的にわかると思いますが、いろいろなご家庭に伺うと、たいていはリビングダイニングのエアコンが一番汚れています。
これは、その部屋の空気が一番汚れているとともに、一番使用頻度が高いためです。
やはり、使用頻度が高いエアコンほど汚れます。
また、ペットのいるご家庭特有の汚れ方もあります。(毛ではありません。)
ペットがいるご家庭は、夏の時期リビングエアコンを24時間連続運転させています。
この場合、熱交換器(アルミフィン部分)は汚れないのですが、くるくる回るファンが非常に汚れます。カビとホコリが一体になった汚れです。
ココが汚れると、風量が落ちます。(完全につまっていなくても、力学的な問題がおこり、まったく風が出なくなることもあります。)
運転しないわけにはいきませんので、24時間連続運転をする部屋のエアコンは、定期的なエアコンクリーニングが必要です。
できるだけ、ホコリを舞い散らせない
エアコンクリーニングに伺うと、床に布団をひいて寝ている部屋ほど、カビ、ホコリ汚れが多いです。
これは、布団を敷いたりたたんだりする行為が、その部屋でホコリを舞い散らせるようです。
この時にエアコンを運転していると、空気中に舞ったホコリがエアコン内部に取り込まれ、エアコンがホコリで汚れます。
ホコリはカビにとってのエサとなるので、カビも繁殖するというわけです。
この布団のケースに限らず、室内がホコリっぽいとエアコンも汚れやすいと言えます。
エアコンがもし汚れてしまったら…。
エアコンの内部が汚れているのに気づいたら、ほとんどの方は、まずはご自分でどうにかキレイにできないか考えると思います。
何か問題解決をしたい時にご自分で改善しようという想いはとてもいいことですね。
ただ、エアコンの内部の汚れは、ぜひ業者さんにエアコンクリーニングをしてもらうのがベストです。
昨今では、ユーチューバーがエアコンの分解方法やその後の洗浄手順などを投稿している方がいます。
ただ、我々プロからすると、とても危険です。
エアコンは電気部品があります。市販のスプレー洗浄缶ですが、電気部員を濡らしてしまうと故障の原因になり増す。
また、一時的な匂い緩和効果がありますが、のちのちひどくなるといったケースもあります。
分解についても、YouTubeを見よう見まねで試したが、どうにもならなくなってしまってので、「元に戻してくれますか?」と言ったお問い合わせもあります。
自分でのエアコン洗浄は十分気を付けて下さい。
エアコン防汚対策のまとめ
仮に無菌室にエアコンが設置されていたらまったく汚れないでしょう。
しかし、一般家庭では無菌室はありえませんね。
エアコンを汚れないようにするためには、できるだけその部屋をキレイに保つことです。
また、その部屋の空気が汚れる時は、エアコンの運転をストップしたほうがいいでしょう。
ただし、結論としては、エアコンは運転すれば必ず汚れます。
ですので、どうしたら汚れなくなるか?ではなく、どうしたら汚れるスピードを遅くできるか?という視点になった方がいいです。