家庭用壁掛けエアコンには【ドレンパン】という部品があります。
エアコンクリーニング時には、「ドレンパンを外した方がキレイになる」とか「ドレンパンを外さない業者はダメだ」とか言われたりします。
では、この「ドレンパン」という部品ですがいったい何でしょうか?
また、「ドレンパンを外した方がキレイになる」と言われる所以は何でしょうか?
実際に、エアコンクリーニング業者である私が解説していきます。
1、ドレンパンとは何か?
2、ドレンパンを外した方がキレイになる…とはどういうことか?
ドレンパンとは何か?
ドレンパンとは、結露水を受け溜める大きなお皿です。
エアコンは、夏季の冷房時と除湿時に内部がかなりの湿気で水滴だらけになります。
その水滴ですが、普通なら水漏れしてしまいますよね。
それでは困るので、その水滴を受けとめる部品をドレンパンと呼びます。
家庭用の壁掛けエアコンでは、下記写真の赤枠の部品がドレンパンです。
ドレンパンを外した写真です。
下の写真、二つの赤丸について…写真では離れていますが、実際には奥の赤丸(ドレンホース)に手前の赤丸(ドレンパン突起)が刺さります。ここを伝って結露水が外に排出される仕組みです。
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ドレンパンは、2つの単語がくっついた呼び名です。
一つ目「ドレイン:drain」…これは、排出させる、はかせる、水をはかせる、飲み干してする、水気を切る、という意味です。
二つめ「パン:pan」…これは、皿、平なべ状のもの、皿状のもの、という意味があります。
ドレンパンは日本語訳をすると、「水を吐かせる皿」という意味が分かりやすいですね。
ドレンパンを外した方がキレイになる…これはどういうことか?
ドレンパンは取り付けたままでは、汚れている部分に水圧が当たらずにキレイになりません。
この写真の赤枠がドレンパンです。
白い色は発泡剤です。その発泡剤に黒カビが発生しているのがわかりますね。
このドレンパンですが、本体に取り付けられたままでは、キレイになりません。
高圧洗浄をしても、この黒カビに直接水圧が当たらないのです。
下の写真:この状態で高圧洗浄をすると、アルミフィンの部分はキレイになります。ですが、ドレンパンの汚れは直接擦ったり高圧洗浄しないとキレイにならないのです。
ドレンパンを外すことで直接高圧洗浄できるし、ブラシなどで擦ったりできます。
こうすることで、はじめてキレイになるのです。
ドレンパンは必ず外せるわけではありません。
ドレンパンを外した洗った方がキレイになる理由は分かったと思います。
ですが、実際には外せない場合もあります。
①業者さんにドレンパンを外す技術がない
実は、およそ8割の業者さんがドレンパンを外しません。
・外す技術がないケース
・外す技術はあるが、金額が割に合わないのでわざわざ外さないケース
です。
ドレンパンを外さなくてもエアコンクリーニングはできますので、外す必要もないというのが実情です。
ただ、あまりキレイにできないだけです。
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②ドレンパンが外せない構造の機種がある
メーカーや機種によっては、構造上ドレンパンが外せないエアコンがあります。
このようなエアコンもドレンパンは外せません。
ドレンパンを外せないエアコン
・ダイキン全般
・東芝全般
・富士通全般
・その他…一部の日立エアコン
などです。
これらのエアコンはドレンパンが外せませんので、付けたままエアコンクリーニングをします。(ですので、あまりキレイになりません。)
それが、「取り外しクリーニング」です。
壁にかけてあるエアコン本体をいったん取り外してクリーニングします。ただし、料金が高くなります。
ドレンパンと一緒にでてくるドレンホースとは何か?
ドレンホースとは、ドレンパンに溜まった水を外に排出するホースです。
室外機のわきから出ているホースです。
このドレンホースがつまることがあります。
原因は、
①室内機で発生した汚れがドレンホース内で長年かかって固まってしまう。
②外からの異物(昆虫など)の侵入
です。
つまると、当然室内機で水漏れします。
その場合には、ドレンポンプと言ってつまりを解消してくれるアイテムが大活躍してます。
もし水漏れがこれで解消しなければ、かなり厄介です。
まとめ
エアコンのドレンパンとは、結露した水を溜め受けるお皿の事です。
このドレンパンは汚れます。
キレイにしたいと思ったら取り外さないとキレイにできません。※一部、外せないエアコン機種もあります。
また、エアコンクリーニングを依頼する時は、「ドレンパンを外して洗ってくれますか?」と問い合わせてみるのも面白いです。
その回答次第で、どこまでキレイにしてくれるかがわかりますから。