家事えもんさんが、連日メディアでナチュラル清掃をご紹介しています。
その中で鏡の汚れにはクエン酸が効果的と、紹介されています。
では実際に、今流行りのクエン酸で浴室鏡のウロコ(水垢)汚れが落ちるのか?を、プロの掃除屋である私が自宅で実験しました!
・浴室鏡のウロコ(水垢)汚れをクエン酸で落とす実験の様子
・クエン酸以外の浴室鏡のウロコ汚れの落とし方
についてご紹介します。
なぜ、浴室の鏡のウロコ(水垢)汚れは、落ちにくいのか。
理科のお話になりますが、これから話す事が、浴室鏡のウロコ汚れが落ちにくい理由です。
水道水の中には、微量の、カルシウム、マグネシウム、ケイ素(水分が蒸発して残ったものがケイ酸塩)が含まれています。
ガラス:鏡のケイ酸塩と水道水のケイ酸塩が仲良しこよしでくっつくため、落ちにくいのです。
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要約すると、水道水とガラス(鏡)には同じ白い物質(ケイ酸塩)が含まれています。同じ物質なので、化学反応で結びつこうとします。ですので、落ちにくいのです。
ということは、ウロコ汚れが落ちにくいのは浴室の鏡だけではありません。
一番、水に触れやすいのが浴室の鏡であるだけです。
他にも浴室のドアがガラスだったり、リビングの窓に水をかけて拭き取らなければ、浴室の鏡と同じようなウロコ汚れとなりますよ。
車のボディも同じくガラス質のコーテイングがしてありますので、洗車した後は水分を拭き取らないとウロコ汚れとなります。
浴室の鏡のウロコ(水垢)汚れをクエン酸で落とす実験。
このクエン酸で浴室鏡のウロコ(水垢)汚れを落とす方法は、理にかなった方法です。
浴室の鏡の白い水垢は、アルカリ性です。そこに酸性のクエン酸をぶつけることで、水垢を中和し汚れを落とす、という流れになります。
◆お酢→冷蔵庫にあった穀物酢をそのまま
◆酸性洗剤→リン酸系の酸性洗剤原液
の3種類で実験。
浴室鏡のウロコ(水垢)汚れを落とす実験開始
これは、実験前の我が家の浴室鏡です。かなり硬い水垢汚れです。
3分割(鏡の下半分のみ)して、
【左:リン酸系酸性洗剤】【中央:クエン酸水】【右:お酢】を塗り、その上からサランラップをして9時間ほど放置しました。
これは、湿布法と言い、洗剤が乾かないようにするテクニックです。
放置時間は、9時間。
結果、今回の実験ではウロコ(水垢)汚れは落ちず。
9時間の放置後にサランラップを外しました。そして、お風呂掃除用のスポンジでこすりました。
結果は、まったくダメでした。今回の実験ではどの薬品でもまったく落ちず。
見た目としては、10が9にもならず…といったところです。まったく落ちませんでした。
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なぜ、クエン酸で落ちなかったのか?
私の自宅の水道水は、いわゆるミネラルやケイ酸塩タップリの硬水です。鏡にかぎらず、水回り設備には白いカリカリした汚れが発生しやすいのです。
硬水だとこんな汚れ方をします。
これは、ミネラルタップリの地下水をくみ上げ浄水された水を供給されているエリアのためです。
※地域により、水道水の性質が異なります。以下のページを参考にして下さい。
このような水道水が硬水の場合は、鏡のウロコ汚れがとても硬く、洗剤、薬品の力を借りて落とす方法では力不足だと考えられます。浴室の鏡だけでなく、浴室全体、トイレ、洗面ボール、キッチンシンクも白くなりがちです。
テレビで浴室の鏡のウロコ汚れが、クエン酸で落ちるのはなぜ?
テレビで浴室鏡のウロコ汚れがクエン酸で落ちる映像をみて、2つのポイントを感じます。
1、落ちたのは白い石鹸カス
浴室の鏡の汚れには、水垢の他に石鹸カスがあります。石鹸カスは水垢に比べると簡単に落ちます。
これがクエン酸で落ちた結果、清掃前の状態よりもクリアになったため、水垢が落ちたように報道されているケースがあると感じます。
2、鏡が濡れていればキレイに見える事
清掃後のテレビ映像を目を凝らしてよ~く見てましたが、鏡が濡れた状態でした。濡れていれば水垢は映り込みません。
我々プロの目はごまかせません。正直、インチキだと思います。
↑これば、プロである私の見解です。
クエン酸以外での、浴室鏡のウロコ(水垢)汚れの落とし方
では、クエン酸で落ちなかった場合、浴室鏡のウロコ(水垢)汚れはどのようにして落としたらいいのでしょうか?
以下の3つの方法をご紹介していきます。
2、ガラス用研磨剤の使用。
3、さらに強力な酸性洗剤を使用。
1、ガラス磨き用のダイヤモンドパッドで擦る。
ホームセンターやドラッグストアで浴室のガラスを磨くためのダイヤモンドパッドが販売されています。
これは、小さなブロックなのでどちらかというと、かなり小範囲のウロコ落としに向いています。効果はありますが、上手に使わないと鏡に傷が入り、白っぽく仕上がる場合があります。
ガラスの硬度より、ダイヤモンド方が硬いので当然です。
水をかけながら、滑らすように磨いていくのがポイントです。
実際にダイヤモンドパッドで落としてみました。
(私の自宅の浴室鏡をクエン酸で落とせなかった続きです。)
自宅のウロコ汚れは薬品(クエン酸など)では落ちませんでした。
ですので、実際に私がお客様宅で仕事で行っている道具を使って、クエン酸では落とせなかったウロコ汚れを落としました。
上で紹介した市販のダイヤモンドブロックは小さいので、磨くのに時間がかかります。私は仕事柄大きいダイヤモンドパッドを持っていますので、そちらで落としました。
機械に取り付けたダイヤモンドパッドで研磨する方法です。
このダイヤモンドパッドは電工工具に装着して使用します。
この機械は、オービタルサンダーといって細かい振動動きをする電工工具です。
こうやって、鏡に押し当て、振動運動でウロコ汚れを研磨していきます。実際には、※1そこそこの大きな電動音がします。
ダイヤモンド研磨を終えて、乾かしたところです。下半分が、スカッとキレイになっているのわかりますか?
その後、せっかくなのでガラス用のコーティングをしてみました。これは、効果があるかは、しばらく生活してみないとはっきり書けませんが。
追記
ガラス用のコーティング施工をしたあとの汚れの状況ですが…1月ほどたってから、汚れを実験してみましたが、効果はありませんでした。
そりゃそうですね。
鏡(ガラス)にガラスコーティングをした所で、結果は同じです。
鏡(ガラス)のウロコ汚れの防汚対策としては、フッ素コートや、シリコンコートがおすすめです。
コーティングに関しては、いつか書いてみたいと思います。
2、ガラス用研磨剤の使用。
ガラス用の研磨剤を使用して、ウロコ(水垢)を除去していきます。
オススメはハイホームというクレンザーです。
浴室鏡やキッチンIHコンロの焦げ取りにも効果を発揮してくれます。
これで取れるわけではありません。硬い水垢は、まったく落ちないこともありますし、どうしても磨きキズは付きます。
3、さらに強力な酸性洗剤を使用。
ガラスの水垢落としに優れた洗剤があります。
フッ化アンモニウムという成分が入った洗剤ですが、ガラスの水垢を一瞬できれいにしてくれます。
ただし、濃度や放置時間によってはガラスを曇らせてしまって交換となる場合もあります。
一般の方は入手できないものですので、割愛させていただきます。
まとめ
軟水エリアのお宅なら、クエン酸などでも、あるていど落ちるかもしれませんが、
うちみたいな硬水エリアの場合は、クエン酸やお酢ていどの薬品ではびくともしませんでした。
硬水エリアか、軟水エリアかの判断については、こちらのページでの下段で、少し触れています。
また、
テレビで、クエン酸で浴室鏡のウロコ汚れが落ちるという放送は、私はインチキだと思っています。他の、ハウスクリーナーも同様の意見です。
目に見えて白くなっているウロコ汚れは、クエン酸ではパワー不足だと思います。
クエン酸についても、記事を書いていますので参考にして下さい。