私は現役のハウスクリーナーです。
普段から、強い洗剤を使用します。ただし、そういった洗剤の使用にはものすごく気を使います。
強力な洗剤なので、汚れ落としは非常にいいです。
ただし、使い方を間違えたり、ちょっとした不注意が原因で素材を痛めてしまう可能性があります。
また、おそうじ道具の中には、研磨力が強く、こすると傷をつけてしまうスポンジやブラシもあります。
こちらのページでは、私が今までにお客様宅に伺い、失敗お掃除の現場に出会った時の例を写真付きで解説していきます。
あらかじめ、
NGなお掃除方法を知っておくことで、皆さんがお掃除をするときの失敗を防止することができますから。
後半は、主に道具の使い方が原因の失敗事例を書いていきます。
こちらの動画でも、当ページの内容をご紹介しています。
洗剤の使い方が原因のお掃除失敗事例集
初めに、洗剤が原因でおそうじを失敗するポイントをお伝えします。
1、洗剤を意図した部分以外に付着させてしまう。
2、塗って、長く放置してします。
ここを気を付ければ、特に問題ありません。
1、濃淡色の樹脂素材は色抜けしやすい
2、金属(特にアルミ)は変質しやすい
3、塗装品(レンジフードフィルターなど)は、塗装が剥がれやすい
4、無垢の木材は、中性洗剤以外に非常に弱い
という点を覚えておきましょう。
バスタブに垂れジミができた例
これは黒っぽいバスタブに何かの垂れジミが発生しています。
バスタブの縁の部分から底にむかって何かが垂れた後があるのがわかりますね。
これは、おそらくサンポールなどの酸性洗剤、もしくは何かの強いアルカリ性の液体が垂れた跡です。
サンポールは市販で売っています。強いアルカリ洗剤も、最近ではホームセンターや薬局などで見かけるようになりましたから。
この原因は、おそらく、バスタブ縁の水垢を除去したくて洗剤を塗ったあと、一部がバスタブ内部に垂れてしまったのでしょう。
垂れないような塗り方が必要だったのと、得に濃淡色の素材は色抜けしやすいので注意して下さい。
▶先に垂れてはいけない部分に中性洗剤をぬっておく←こうすることで、もし垂れてしまっても垂れジミを防ぐことができる
▶垂れないような粘液性のある洗剤をチョイスする
などの方法が必要です。
洗剤容器を直接置くと、跡が残る。
これは、キッチンの物置き台です。
物置台に、丸い輪っかがあるのがわかりますか?
これは、おそらく洗剤や、もしくはその他の中性以外の液体が入った容器を置いた跡です。
そのままワークトップ、カウンタートップ、床に置くと、洗剤分が容器を伝って底面までたどり着きます。その洗剤分が悪さをするとこうなります。
おそらくこんな感じです。
こうなると表面が変質してしまったということで修復できません。
洗剤が入ったボトルや容器を直接床などに置くときは、液だれしてないか十分注して下さい。
もしくは、直接おかないのがベストです。
私が仕事をするときは、液体を通さないビニル系のシートを敷いて、その上に洗剤ボトルを乗せます。
バスタブ縁に丸い輪っかがある。
写真はバスタブです。わかりにくいですが、写真中央に丸い輪っかがあります。
洗剤かどうかはわかりませんが、これもアルカリ性や酸性の液体が垂れた状態でその容器を置いた後ですね。
レンジフードフィルターは、アルカリ焼けに注意!
これはレンジフードフィルターです。
一部黒くなっているのがわかりますか?
これは、アルカリ洗剤で焼けてしまったためです。強いアルカリ洗剤か、弱いアルカリ洗剤でも長く洗剤を塗布しておくとこうなります。
重曹でもこうなる時もあります。重曹もアルカリ性ですからね。
レンジフードフィルターの油汚れは、アルカリ洗剤が効果的なので私も使用します。ただし、長く洗剤を拭きかけておくと、アルミがアルカリ焼けしてしまします。
油分が落ちてないと分かっていてお、長く放置しないで、一度流してみましょう。
その後にまた洗剤を塗ってください。
もし焼けた場合は、クレンザーで戻せますが。
キッチンワークトップにおかしな跡がついてしまった。
キッチンのワークトップです。手前が立ち位置、奥に窓ガラスがあります。写真中央に、何か模様があるのわかりますか?
これは、多少ツヤのあった天板(ワークトップ)に艶がない部分が発生してしまっています。
話を聞いてみて、原因を推察してみました。
この上で、サランラップを敷きその上に五徳を置きました。そして、五徳落とし用のアルカリ洗剤を塗布し、さらにサランラップをかぶせ湿布しました。五徳に塗布した洗剤分が乾かないようにですね。五徳落とし用の手順としては、悪くないです。
しかし、サランラップに穴が空いてしまって、アルカリ洗剤分がサランラップの下に潜り込んでしまいました。つまり五徳以外にも、ワークトップにもアルカリ洗剤で湿布してしまっている状況です。
それに気づかずしばらく時間が経ちます。そして、サランラップを剥して五徳や天板をキレイに拭き取ります。しばらくして乾いたらおかしな模様ができていた。という流れです。
湿布法が強力なので、十分注意が必要です。
道具の使い方が原因の失敗事例集
初めに、道具の使い方が原因で、失敗お掃除となるポイントをお伝えします。
1、一か所を集中して擦ってしまう。
2、いきなり研磨力のある道具で擦ってしまう。(弱いモノから擦っていくべき)
3、樹脂素材(プラスチック素材)は表面が柔らかいのでキズが付きやすい。
という事が言えます。
キッチン壁面の磨きキズ
これは、賃貸物件空室のキッチンエリアです。写真中央に4っつおかしな模様があります。
これをアップしてみます。
わかりやすいように、窓ガラスの光を写し込み写真を撮ってみました。
写真ではわかりにくいですが、壁面に黒い点があります。
そこを中心にキズが付いていて艶がなくなってします。
この黒い点のお掃除しようとして、指に力を入れてこすってしまった結果です。
おそうじでは、スポンジやこする道具をできるだけ手のひら全体で均一に力がかかるように擦りましょう。
指に力を入れて一点を集中して擦ると、このようなキズをつけてしまいがちです。
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レンジフードの上部のキズ
ひとつ前のキッチン壁面のキズと同じですが、これも一点を擦りすぎてしまった結果です。
これはホーロー素材なのですが、ここまでキズがつくとなると、かなり強いスポンジで擦ったと言えます。※ホーロー:金属板にガラス質の塗装をしてある素材の事。
浴室ドア、すりガラスのキズ
これも、磨きキズがあります。
写真上部に上下に走るようなキズが何本かありますね。うっすら左右に走るようなキズもあります。
浴室ドアのすりガラスは樹脂製。ガラスではなく樹脂です。ですので、あまり強くありません。
またこまかい凹凸があります。
こするときに、この凸の部分は強く力が当たってしまい、すぐに表面が荒れてしまいますので注意して下さい。
写真ではこの程度ですが、実際の現場ではもっとはっきりとしたキズとなっていたので、かなり気になりました。
浴室の壁面、傷だらけです。
これは、浴室の壁面。鏡の上あたりです。
おもいっきり、磨きキズが付いています。写真ではこの程度ですが、実際にはかなり目立ちます。
多少の磨きキズであれば、コンパウンドでリペアできますが、ここまでくるま修復不可能です。
番外編
キッチン流し台の下の収納棚表面は、垂れた水分に注意!
シンクでは料理や洗い物など水仕事をしますね。
その時に、毎回少量ではありますが、収納棚に水がかかったりします。
しかしチリも積もればなんとやら…
床面に近い収納棚表面ですが、水分が悪さをして、おかしなことになっています。
この収納棚表面は、おそらくプリントシートです。
角のプリントシートのつなぎ目から水分が侵入してプリントシールが弱くなりこうなってしまったと思います。
シンク付近は、その下の棚表面の水分の気にして下さい。