キッチン換気扇、レンジフードのギトギトの油汚れ。
お掃除しなければいけないけど、油まみれになるし気がすすまないですね。
魔法使いの様に、えい!とタクトを振りかざすと一瞬でキレイになる♪残念ながら、それはムリです(^^;)
換気扇、レンジフードのお掃除はやれば落ちる、というものでもありません。適切な洗剤や道具が必要です。
こちらのページでは、プロのおそうじ屋である私が、換気扇、レンジフードの油汚れの掃除方法をお伝えしていきます。
・フィルターのお掃除方法記事
・シロッコファンのお掃除方法記事
・レンジフード掃除にオススメな洗剤について
などの関連記事をいくつか書いていますが、当ページが「レンジフードのお掃除方法」のメインページになります。
換気扇、レンジフードの掃除で使用する洗剤を5つご紹介
換気扇、レンジフードのお掃除では、洗剤が必要になってきます。
しかし、現在、油落とし用の洗剤はたくさん出回っています。ホームセンターやドラッグストアでも何種類も陳列されており、どの洗剤を購入、使用すればいいのか迷うと思います。
そこで、ここでは油落とし用の洗剤の話と、具体的なオススメ洗剤についてご紹介していきます。
アルカリ性洗剤をチョイスする
ご存知の通り、性油は酸の性質をしてます。ということで、アルカリ性の性質をぶつけると、油が中和され(中性になる)落としやすくなる、という理論です。
ですので、換気扇や、レンジフードのお掃除ではアルカリ性である重曹やセスキ炭酸ソーダが使用されるのです。
また、ときどき見かける「水だけで油汚れが落ちるアルカリ電解水」という洗剤も、その名の通り、本来「中性である水」を「アルカリ性の水」につくりかえているため、油汚れが落としやすいのです。
これから、具体的に5つの油落とし用洗剤について書いていきます。
重曹→セスキ炭酸ソーダ→オキシクリーン→ピア→ウルトラハードクリーナーという順で、強力になっていきます。
重曹
数年前からナチュラル洗剤が流行り出していますね。その代表格が重曹です。
食品添加物としても使用される重曹は、油汚れを落とすほどの物質なのに、体には無害というポイントが大人気なのです。
ただし、重曹は、日頃からこまめにお掃除をしている方が使用する洗剤です。
本格的な換気扇、レンジフードのお掃除をするときに使用する洗剤ではありません。重曹は、ギトギトの油汚れにはやはりパワー不足です。
年に一度の大掃除の時などは、重曹ではなく他の洗剤を使いましょう。
セスキ炭酸ソーダ
こちらもナチュラル洗剤の一つです。
重曹との違いは、
1、重曹よりアルカリ度が増します。そのため、重曹よりは強い油落とし効果が期待できます。
2、重曹より水に溶けやすいです。
手荒れする場合もありますので、できれば手袋を使用しましょう。
オキシクリーン(過炭酸ナトリウム)
こちらもナチュラル洗剤の一つです。セスキ炭酸ソーダよりさらにアルカリ度が高めです。発砲作用により汚れを落としてくれます。
オキシクリーンは基本的には付け置き用の洗剤です。スプレイヤーに入れてシュシュッとするような場面では使用しません。
多目的洗剤ピア
ピアは市販では売っていません。もともと、北海道の酪農農家で使用しているミルカー(自動乳搾り機)の洗浄のために開発された洗剤です。
ですが、油落とし効果も非常によく、しかも安全性が高いという洗剤です。
我々プロのハウスクリーナーも、実際に現場で多用します。もちろん、私も多用します。
ウルトラハードクリーナー
数年前からホームセンターやドラッグストアで見かけるようになった、強力油落とし用の洗剤です。
私も使用したことがありますが、こんなに強い洗剤が市販で売っていてもいいのか?と感じるほど業務用洗剤と同じくらい強力に油汚れを落とす洗剤です。
普段使用ではなく、本格的なお掃除をするときに使用します。ただし、強力な洗剤ゆえ、使用には注意して下さい。
床にこぼしてしまったりすると、ワックスが溶けたり、フローリング自体が傷みます。
どの洗剤を使用したらいいのかは、個別で変わってきますが目安をかきます。
重曹:日常的にお掃除をするときに使用
セスキ炭酸ソーダ:一月~半年に一度お掃除をするときに使用
ピア:半年~年に一度お掃除をするときに使用
ウルトラハードクリーナー:ひどくよごれているとき
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換気扇、レンジフードの掃除で使用する道具を7つご紹介
お掃除にはやはり道具も必要です。やる気があっても、適切な洗剤や道具を使用しないと油汚れは落ちません。
ここでは、普段我々プロのハウスクリーナーが換気扇、レンジフード清掃で使用している道具についてご紹介していきます。
プラスチックヘラ
しばらくお掃除をしていなかった場合や油汚れが付きやすい部分は、油汚れが分厚くなっている場合があります。そんなときは、いきなり洗剤を使用してもなかなかお掃除が進みません。
ですので、分厚い油汚れの場合は、まずはヘラでこそぎ取ってしまいます。この時、レンジフードにキズをつけないためにプラスチック製のヘラを使用しましょう。ホームセンターの工具コーナーに売っています。(¥200ほど)
サッシのみ
換気扇、レンジフードを掃除していると、細かい部分の油汚れが気になってくるはずです。指では上手く取れない場合もあります。そんなときにサッシのみが便利です。
このサッシのみに雑巾をあてがうと、細かい奥まった部分の油汚れが拭き取れます。
ホームセンターの工具コーナーに売っています。(¥600ほど)
歯ブラシ
後に書きますが、シロッコファンの羽をお掃除をするときに、歯ブラシが役立ちます。お掃除では、ハードタイプ毛質がおすすめです。
スポンジ
洗剤を染み込ませ、油汚れを擦ったりする時に使用します。市販の食器洗い用の水分含みがよいスポンジでOKです。
ハイブリッドスポンジ
これも市販品です。オレンジと緑の色の違いは単なるカラーバリエーションです。少し研磨力が強いスポンジで、上記の食器洗い用のスポンジでは物足りなく研磨力不足と感じた時に使用します。
刷毛
これは、主にタッパーに作った洗剤を換気扇、レンジフードの油汚れに塗布(塗る)する時に使用します。薬品に強く、強力なアルカリ洗剤でもOKです。
タッパー
これは、洗剤を作る時に使用します。100均の食品保存用のタッパーで十分です。
スプレイヤー
スプレイヤーは私はあまり使いません。うまく均一に拭きかけられればいいのですが、タッパーに作った洗剤を刷毛やスポンジで塗り広げた方が効果的にお掃除ができます。
ただし、タッパーに作った洗剤は、酸性である油が付いた刷毛やスポンジなどを繰り返し浸し→塗布することでだんだんと「アルカリ性→中性」に変化して効果が薄まります。
これを嫌ってスプレイヤーの方が使用がってがいいという掃除屋さんもいます。
タッパーに作った洗剤を使用するのか、スプレイヤーに移し替えて使用するのか、これは好みによります。
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換気扇、レンジフード掃除を効果的に進める3っつのポイント。
洗剤も道具もそろえた!よし!換気扇、レンジフードを掃除しよう!という前に、効果的にお掃除をするポイントを3つご紹介します。言われなくてもわかることですが、再確認してみて下さい。
1、油汚れはお湯の方が落ちやすい
これは、換気扇、レンジフード清掃で基本中の基本です。
油汚れは、温水の方が圧倒的に落ちやすいです。ですので、洗剤を作る時はお湯で溶かしてください。
また、作った洗剤が覚めてしまった時は、めんどうですが湯銭をして温めなおすと効果が持続します。
※湯銭は、スプレイヤーならその容器ごと、調理用ボールなどに50℃の温水にドボ付けする。タッパーに作った洗剤も同じ様に温水に浮かべる。
2、できる限り分解洗浄する
換気扇、レンジフードのお掃除をするときは清流版、フィルター、シロッコファン(回転するプロペラ)を外して洗いますね。
できれば、他の部品で外せそうなものがあれば、それらも外してしまった方がお掃除がしやすいです。
ドライバー1本あれば、グンと外せる部品が増えます。※分解は故障や破損などリスクが付き物ですので、ご自身の判断でお願いします。
3、外した部品は付け置きする
洗剤は乾くと効果がありません。ですので、洗剤を塗布したら常に湿っている状態がベストです。それが湿布法ですね。
ただし、レンジフード部品で湿布をすることはNGです。湿布法は強力です。レンジフードは、基本的には金属に塗装がしてある部分がおおいです。湿布法でそれらの塗装が剥がれてしまいますから。
換気扇、レンジフード清掃では、湿布法を用いることがありません。ですが、部品を洗剤にドボ付けするというお掃除方法が効果的です。
例えば、フィルターやシロッコファンなどは洗剤を塗布するのが手間です。ですので、容器に洗剤を作り、そこに部品を突っ込んでしまうという方法がおすすめです。
換気扇、レンジフードの具体的なお掃除方法
では、具体的なお掃除方法について紹介していきます。
換気扇、レンジフードの形やタイプによって、適切なお掃除方法は異なります。ですので、ここではオーソドックスな手法を取り上げます。
レンジフードフィルターのお掃除方法
1、フィルターを外す
フィルターは間違いなく外せますので、外して洗います。
2、分厚い油汚れは樹脂ヘラでこそぎ取っておく
もし分厚い油汚れがあれば、樹脂ヘラでこそぎ取ります。
3、フィルターを洗剤にドボ付けする
シンクにお湯を貼ったり、面積が広いダンボールにビニル袋をいれ、洗剤を作ります。上の写真では、私が仕事で使用している大き目の容器で付け置きしています。
45℃くらいの熱いお湯に、重曹、セスキ炭酸ソーダ、オキシクリーン、ピアを入れます。※1
そこに、フィルターを付け置き、時々刷毛で撫でて油汚れが緩まったかどうか確認します。そのまま容器の中で刷毛で擦ってもいいし、取り出して刷毛で擦ってもいいです。
落ちるまで繰り返してください。
最後は、水で油と洗剤分を流します。※2
※1 ウルトラハードクリーナーはドボ付け用には使用しません。価格が高いため、もったいないという理由です。
※2 細かいお話ですが、油汚れを流す時は水の方がいいのです。タンパク質である油汚れはお湯で固まりますから。ただ、ここは情報として補足で書いただけで、実際にはお湯で流してしまってもOKです。
シロッコファンのお掃除方法
1、シロッコファンを外す外し方は取扱説明書に書いてある場合もあります。基本的には、シロッコファンの手前に丸い輪っかの部品があり、それを取り外した後に、シロッコファンが取り外せます。
昔は、工具要らずの素手で回せる大きめの部品で止めてあるだけなので、それを外すと、シロッコファンも外せます。
2、油汚れをこそぎ取る。
汚れが激しい場合は、まずは先が細く小さいスプーンなどでこそぎ取ります。こそぎ取るほどの油汚れがない場合は、次の付け置きに進んでください。
3、シロッコファンを付け置く
バケツに45℃のお湯をはり、そこに重曹、セスキ炭酸ソーダ、ピアを投入します。10リットルのお湯に対し、それぞれ大さじスプーン1杯でOKです。
そして、シロッコファンを入れてしまいます。時々、シロッコファンを回してあげたりして、水流を与えてあげると、汚れ落ちが早いです。
4、歯ブラシや刷毛でこする
付け置きで油汚れが緩まっています。その状態で取り出し、羽の一枚一枚を歯ブラシと刷毛で落としていきます。
これは、我々プロも地道に同じことをします。
汚れが軽い場合は、シャワーで流してあげるとそれだけで油汚れが落ちてくれる場合もあります。
5、水、またはクエン酸水に付け置き
シロッコファンの付け置きで、シロッコファン自体がアルカリ性寄りになっています。そのままでは腐食するケースがありますので、中性に戻してあげなければなりません。
ですので、再度バケツに水を貼りそこに付け置きます。もしくは、クエン酸水だとなお良いです。
クエン酸水の場合は、取り出した後に、水で流してください。
換気扇、レンジフードのやってはいけないお掃除方法
換気扇、レンジフードのお掃除で、注意する点がいくつかあります。
洗剤分を濃くしない
先にも書きましたが、換気扇、レンジフードの部品は、金属に塗装がしてある部品が多く、洗剤成分で塗装が剥がれてしまうこともあります。
付け置き時間に注意する
フィルターやシロッコファンは付け置きが効果的とかきましたが、付け置く時間が長いと、はやり塗装が剥げます。または、変色します。落ちていないだろうと分かっていても、時々は付け置き状態から取り上げて状態チェックして下さい。
これは、付け置き時間が長く変色してしまったアルミフィルターです。
洗剤を垂らしたりしない
お掃除中は洗剤が床やキッチンワークトップに垂れないように注意してください。ワークトップに垂れた場合は、それほど悪影響はありませんが、床に垂れるとワックスが解けます。
まとめ
換気扇、レンジフードの油落としには、効果的に汚れを落としてくれ作業を効率よく進めてくれる洗剤、道具、テクニックが必要です。
残念ながら、やる気だけでは落ちません。
・お湯でお掃除をする
・できるだけ外せる部品は外す
・付け置きなどで工夫してお掃除する
という点がポイントです。
また、古いレンジフードなどは、油と塗装が一体となってしまっているモノもあります。油汚れを除去しようとすると、塗装も一緒に取れてしまいます。
油汚れは酸性の性質をしており、素材を痛めます。あまり長く放置しないように、こまめにおそうじしましょう。